分散配置された ECU 間での競合状態(Race Condition)は、単体テストでは再現困難な間欠的障害を引き起こします。電源状態遷移、OTA 書き換え、ブレーキの主副切り替えを TLA+ 数式仕様としてモデル化することで、あらゆる並行処理パターンにおいてデッドロックが皆無であることを数学的に証明します。
回生ブレーキから油圧ブレーキへの切り替え時に ABS が同時に作動する過渡状態を考えます。モーター側が油圧ポンプの加圧完了を前提として回生トルクを抜いた際、バルブの機械動作遅れにより制動力が 80ms にわたりゼロになる危険がありました。TLA+ による形式検証は、試作基板の製造前にこの重大な競合バグを暴き出しました。